【レビュー】星降る夜になったら
星降る夜になったら
星降る夜になったら(1) (MF文庫J) [ あまさきみりと ] 価格:726円 |
普通の高校三年生・花菱准汰は特に進路なども考えることもなくただ適当な日常を過ごしていた。卒業が迫った二月、担任教師である登坂優に美術の補習として放課後美術室へ来るよう指示される。そして放課後、美術室へ向かった花菱が出会ったのは、美術部部長(部員数一名)である二年生の渡良瀬佳乃だった。人付き合いが苦手、好物はベタチョコ(菓子パン)、など少し変わった少女である佳乃と共に補習を行うことになった花菱だったが、彼女との出会いが彼の生活に少しずつ変化をもたらしていく。
しかし、そんな幸せな時間は長くは続かず……。謎の奇病に伏してしまう佳乃、その裏には四年に一度、閏年にのみ観測できるといわれている『スノードロップ彗星』。信じている人のみが見ることができ、願いが叶うと噂されている彗星が関係しており───。
これは、互いのことを考えるあまり、すれ違ってしまった二人の美しくも儚い青春物語。
毎日を適当に過ごしていた花菱が後輩である佳乃と出会うところから物語は始まります。佳乃との出会いによって充実した日々を送れるようになった花菱。また、佳乃も花菱との出会いによって少しずつ感情表現が豊かになっていき、ふたりの関係性もより親しい仲へと変化していきますが、その日々はあまりにも唐突に、あっけなく終わりを告げてしまいます。
しかし、奇跡が起きます。『スノードロップ彗星』によって……。
これにより花菱と佳乃にも影響が現れ、二人の関係性、性格も、あったはずの出来事も変わってしまいます。ここから先、ラストはぜひ自分の目で確かめてみてください。
ポイント
- 私個人の意見ですが、この物語の主人公は花菱ではなく佳乃であると思います。詳しくはネタバレになってしまうので言えませんが、物語の中心に位置し、カギを常に握っているのは佳乃です。かと言って、花菱が主人公ではない、というわけではなく、どちらも「主人公」と呼べる存在ですが、どちらかというと佳乃にこそ相応しいものであると思いました。
- 佳乃の人生が割と悲惨です。現実でも実際にそんな家庭があると思いますが、それにしてもとてもリアルで辛くなります。ですが、それによって叔父である登坂優の存在の大きさをより知ることができます。そして「もう一人」の存在の大きさも……。
- 物語の構成や場面転換がとてもうまく、引き込まれてしまいます。気づくとページを戻って読み返してしまうくらいには。時間があるときに、もう一度じっくりと読み返したくなりました。
【レビュー】今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう!
今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう!
今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう! (MF文庫J) [ 涼暮 皐 ] 価格:704円 |
双原灯火関係の事件から一夜明け、平穏な日々が戻ったと思ったのも束の間、新たな問題が降りかかる。それは、灯火の友達である読モで有名な少女・天ヶ瀬まなつと僕・冬月伊織が付き合っているということ……?さらには、普段何事も起こらないはずの日常にたくさんのイベント事が舞い込んで……。伊織の日常はどうなってしまうのか───。
今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう! (MF文庫J) | 涼暮 皐, あやみ |本 | 通販 | Amazon
今作に新たに登場するヒロインは、灯火のクラスメイトである天真爛漫な美少女・天ヶ瀬まなつです。なぜか初っ端から主人公と付き合っているということになっていて困惑しましたが、すぐに理由が判明したので一安心です。さらにはこの子、全編を通して色んな側面が続々判明するので読んでて楽しかったです。
そして、前作のヒロインであった双原灯火。…後半に入るまでほぼ空気でした。ですが、後半には重要なポジションとして活躍するので灯火推しの私としてもホントに有り難かったです。
物語も、《星の涙》が起こす新たな事件。それに関わっているとされる天ヶ瀬。伊織が関わってきた《星の涙》事件の内、未だ明かされない最後の一つ。など、物語が一気に加速していくような展開ばかりで、特にラストは根幹に関わるであろうモノが少しだけ明かされたので早く続きが読みたくなります。
【レビュー】現実でラブコメできないとだれが決めた?
現実でラブコメできないとだれが決めた?
現実でラブコメできないとだれが決めた?/初鹿野創【合計3000円以上で送料無料】 価格:726円 |
※この記事は若干のネタバレを含みます!
主人公・長坂耕平はラブコメに憧れを持っている。しかし、現実は非情である。さらには長坂にはラブコメ主人公のような境遇や特技は持ち合わせていない。ならばどうするのか……そう!自分で作り上げるしかないと!必要なものはデータ分析と反復練習。
そして、そんな長坂とひょんなことで出会ったのは、現実がラブコメとは違うと豪語する少女・上野原彩乃。そんな彼女との出会いがもたらすのはラブコメか現実か───。
第14回小学館ライトノベル大賞・優秀賞に選ばれた作品ということで購入しました。
今作が他のラブコメ作品と大きく異なっているのが、普通のラブコメ作品の主人公が普通の生活を送るうえで自然にラブコメ展開が起こるのに対して、今作は主人公である長坂が意図的にラブコメ展開を起こそうと試行錯誤するという、「ラブコメ作品の舞台裏」のようなストーリー展開がされるという点であると思います。
もちろんキャラクターも魅力的で、長坂が理想とするラブコメのヒロインであり、明るく、誰にも優しく、まさに「才色兼備」な少女・清里芽衣や、些細なミスから計画を知られてしまい長坂の”共犯者”となってしまう見た目とは裏腹に真面目な少女・上野原彩乃、と、メインヒロインがとてもいい味出しています。
また、ラストには驚きの展開も待っており、読んでいて常に楽しませてくれる作品になっていたと思います。
……ホント、ラスト鳥肌立ちました。
【レビュー】さいはての終末ガールズパッカー
さいはての終末ガールズパッカー
さいはての終末ガールズパッカー(1) (電撃文庫) [ 藻野 多摩夫 ] 価格:693円 |
この世界はじきに滅びる───。
百億歳を超え燃え尽きようとする太陽。それによって凍える世界となり終わりへと近づく世界。そこで出会った未熟な人形技師のレミと記憶を失い二百年も眠っていた自動人形《オートマタ》の少女リーナ。しかし、リーナの左腕は動いておらず、そんなリーナの腕を直すため、二人の少女は東の果てに存在しているといわれる《楽園》エリシウムを目指す。
そこで待ち受ける過酷な運命に二人は翻弄されていく───。
ディストピア系異世界で起こる二人の少女の冒険活劇。ちょっぴり悲しくなるお話ですが、なぜ私は買っていしまったのだろうか…。悲しくなる作品はあまり好きではないのに…。なぜか手が伸びてしまったんだ…。
と、最初はこんな後悔していた私でしたが、読み終わったころにはよくわからない気分になっていました。悲しいのにどこかほっこりもし、うれしくもなる。ホント尊いですね……。
ポイント
- レミとリーナのやり取りが癒しです。この二人のまるで姉妹のような関係性が物語に温かみを与えてくれます。
- この滅びかけた世界で生きる人々の生活が垣間見ることができます。どこも必死で生きているのを感じて物語に入り込みやすいです。
- イラストがとにかくきれいです。特に終盤の挿絵は物語のラストに相応しいものになっていて必見です。
【レビュー】異世界、襲来01
異世界、襲来01
異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース(1) (MF文庫J) [ 丈月城 ] 価格:704円 |
二十一世紀に起きた異世界からの侵攻。これによって世界は混乱へと陥る。普通の中学生・一ノ瀬ユウは国家プロジェクトとして国防軍所属のナノテクノロジー研究所へと配属される。そこで彼は、睡眠ポッドによって眠らされていたクローンエルフの少女・アインと出会い、かつて国防軍の要でああった人型の兵器『アスラフレーム三号』の継承者『着装者三号』に選ばれてしまう。
それは、大人から子どもまで誰もが憧れた”ヒーロー”の復活でもあった───。
『カンピオーネ!』の丈月城さんと『りゅうおうのおしごと!』のしらびさんのタッグで贈るヒーローVS異世界の新感覚戦記。
舞台は現代日本であり、感覚としては『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』に近い感じですが、根本的に違うのは主な戦場は日本である、ということだと思います。それによってより状況に緊迫感が現れ、読んでいてドキドキしました。
あと、やっぱりアレですよね。仮面のヒーローとか、ナノマシンとか、男の子が大好きな要素がたくさん詰まってます。ロマンの塊です。私も大好物です。
物語のラストもとても気になるところで終わってしまいますが、この作品、二ヶ月連続刊行です。つまり早く買って読め、ということですね。近いうちに読みたいと思います。
【レビュー】家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?
家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?
家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?2 (GA文庫 2) [ 高木幸一 ] 価格:715円 |
唯一の身寄りであった祖父が亡くなり、独り身となってしまった主人公・黒川真。そんな彼はある日、四姉妹と暮らすことになってしまう───。
小説家の長女・宙子、クールな高校生の次女・波月、元気いっぱいな小学生の四女・美星、そして──かつて中学の卒業式で告白を断った真面目な後輩・姫芽が三女であった……。
一人の高校男子と個性豊かな四姉妹との楽しく、温かい家族としての生活が始まる。
家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? (GA文庫) | 高木幸一, YuzuKi |本 | 通販 | Amazon
青春ラブコメと家族愛を同時に扱ったちょっと変わった作品。主人公・真は両親を早くに亡くし、育ての親であった祖父も亡くしてしまい、途方に暮れているところを偶然、宙子と出会い彼女たち草原家と共に暮らすことになってしまいます。ここには偶然以外にも”ある”理由が起因しているのですがここは実際に読んでみてください。
読んでみた感想としては、温かかったです。色々なトラブルやハプニングに巻き込まれる真ですが、最後にはどこかほわっとする感覚があり、安らぎにも似た感覚を味わうことができました。もちろん胸キュンな展開もしっかりとあります。青春ラブコメですから。その中でも次女の波月と三女の姫芽が特にヒロインしてたかなと思います。二人とも“良い”性格しているので(年齢的にも先輩キャラと後輩キャラ)、好きになること間違いなしです。かく言う私も波月と姫芽が大好きです。二人とも私の好きなキャラの特徴をそれぞれいくつか持っており、好きにならないわけがないですよねって感じです。
調べたところ、二巻の発売も決まっており、次女三女がフィーチャーされるという感じなので発売が今から楽しみです。
【レビュー】ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい
ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい
ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい2 (電撃文庫) [ 五十嵐 雄策 ] 価格:693円 |
主人公・市村龍之介は現在二人しかいない放送部に所属している。そしてもう一人というのが部長である三年生・高遠花梨。先輩は身長が百五十センチほどしかなく、上品なお姉さんを思わせる声と小さな鈴を鳴らしたかのような素の声とを使い分けるとてもかわいらしい人だ。そんな放送部だが、龍之介には一つの目標があった。それは……一日に三回、先輩に喜んでもらうということ。そしてそれを一週間連続で行うこと。だった───。そして先輩にも一つの目標があった。それは……照れさせられる回数を一日三回未満に抑え、それを一週間に一度以上作る。というものだった。
これは、喜ばせたいがゆえに照れさせてしまう後輩と、照れさせられないようにしつつ威厳を示したい先輩のとある日常のお話である───。
ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい (電撃文庫) | 五十嵐 雄策, はねこと |本 | 通販 | Amazon
先輩が可愛いです。(直球)
こんな先輩がいるのであれば私も放送部に入りたくなるだろうなと思いました。いえ、入ります。断言します。
物語の分け方も第一話・第二話のように短編形式となっており、また、どのお話も先輩が最後に照れる、というお決まりがあるので読みやすい印象を受けました。短編形式ならば物語が単調になってしまうのでは、と思われるかもしれませんが、所謂前後編と呼べるお話もあり、物語の核心に迫ったお話もあるので退屈させない作りになっていると思います。
また、PVでは先輩のcvを雨宮天さんが演じられており、雨宮さんの素晴らしい声の使い分けでとてもかわいい先輩が拝めるので是非聞いてみて欲しいです。