まひろのライトノベル感想文

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【レビュー】星降る夜になったら

星降る夜になったら

 

星降る夜になったら(1) (MF文庫J) [ あまさきみりと ]

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 普通の高校三年生・花菱准汰は特に進路なども考えることもなくただ適当な日常を過ごしていた。卒業が迫った二月、担任教師である登坂優に美術の補習として放課後美術室へ来るよう指示される。そして放課後、美術室へ向かった花菱が出会ったのは、美術部部長(部員数一名)である二年生の渡良瀬佳乃だった。人付き合いが苦手、好物はベタチョコ(菓子パン)、など少し変わった少女である佳乃と共に補習を行うことになった花菱だったが、彼女との出会いが彼の生活に少しずつ変化をもたらしていく。

 しかし、そんな幸せな時間は長くは続かず……。謎の奇病に伏してしまう佳乃、その裏には四年に一度、閏年にのみ観測できるといわれている『スノードロップ彗星』。信じている人のみが見ることができ、願いが叶うと噂されている彗星が関係しており───。

これは、互いのことを考えるあまり、すれ違ってしまった二人の美しくも儚い青春物語。

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毎日を適当に過ごしていた花菱が後輩である佳乃と出会うところから物語は始まります。佳乃との出会いによって充実した日々を送れるようになった花菱。また、佳乃も花菱との出会いによって少しずつ感情表現が豊かになっていき、ふたりの関係性もより親しい仲へと変化していきますが、その日々はあまりにも唐突に、あっけなく終わりを告げてしまいます。

しかし、奇跡が起きます。『スノードロップ彗星』によって……。

これにより花菱と佳乃にも影響が現れ、二人の関係性、性格も、あったはずの出来事も変わってしまいます。ここから先、ラストはぜひ自分の目で確かめてみてください。

 

ポイント

  1. 私個人の意見ですが、この物語の主人公は花菱ではなく佳乃であると思います。詳しくはネタバレになってしまうので言えませんが、物語の中心に位置し、カギを常に握っているのは佳乃です。かと言って、花菱が主人公ではない、というわけではなく、どちらも「主人公」と呼べる存在ですが、どちらかというと佳乃にこそ相応しいものであると思いました。
  2. 佳乃の人生が割と悲惨です。現実でも実際にそんな家庭があると思いますが、それにしてもとてもリアルで辛くなります。ですが、それによって叔父である登坂優の存在の大きさをより知ることができます。そして「もう一人」の存在の大きさも……。
  3. 物語の構成や場面転換がとてもうまく、引き込まれてしまいます。気づくとページを戻って読み返してしまうくらいには。時間があるときに、もう一度じっくりと読み返したくなりました。